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2019/08/27

自転車屋の生き物歳時記 植物編 クズ

8月27日
火曜日

自転車屋の生き物歳時記
植物編

クズ

先日の沢歩きで
唐櫃台に向かう時に
秋の七草であるクズの花が咲いているのを
何ヵ所かで見かけました。

クズ(葛、学名: Pueraria montana var. lobata)は、
マメ科クズ属のつる性の多年草である。

日本では、
根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、
万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。

和名は、
かつて大和国(現:奈良県)吉野川(紀の川)上流の
国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。

漢字は葛を当てる(「葛」で表記する場合もある)。

中華人民共和国等の中華圏では、
鶏斉根(繁体字: 雞齊根、簡体字: 鸡齐根、拼音: jīqígēn、雞は鷄の異体字)とも呼ばれる。

地面を這うつるは、
他のものに巻きついて10メートル以上に伸び、
全体に褐色の細かい毛が生えている。

根もとは木質化し、
地下では肥大した長芋状の塊根となり、
長さは1・5メートル、径は20センチに達する。

葉は三出複葉、小葉は草質で幅広く大きい。

葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。

花は8~9月の秋に咲き、
穂状花序が立ち上がり、
濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせる。

花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、
淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。

花後に剛毛に被われた枝豆に似ている扁平な果実を結ぶ。

つるを伸ばして広い範囲で根を下ろし、繁茂力が高い。クズは根茎により増殖する。

かつての農村では
田畑の周辺に育つクズのつるを作業用の材料に用いたため定期的に刈り取られていたが、
刈り取りを行わない場合は
短期間で低木林を覆い尽くすほど成長が早い。

伸び始めたばかりの樹木の枝に巻き付くと、
それによって樹木の枝が曲がってしまうこともあるため、人工林においては、
若木の生長を妨げる「有害植物」と見なす人がいる。

温帯および暖帯に分布し、
北海道から九州までの日本各地のほか、
中国からフィリピン、インドネシア、
ニューギニアに分布している。

世界の侵略的外来種ワースト100
(IUCN, 2000) 選定種の一つである。

荒れ地に多く、人手の入った薮によく繁茂する。

古来から
大きく肥大した塊根に含まれるデンプンをとり、
「葛粉」として利用されてきた。

秋から冬にかけて掘り起こしたものを
砕いて洗い、精製する。

葛粉を湯で溶かしたものを葛湯と言い、
熱を加えて溶かしたものは固まると
透明もしくは半透明になり、
葛切りや葛餅、葛菓子(干菓子)などの和菓子材料や料理のとろみ付けに古くから用いられている。

あまりメジャーではないが、
春先から初夏にかけて伸びるつる先や花も
天ぷらなどにして食用に出来る。

根を乾燥させたものを生薬名葛根(かっこん)と呼ぶ。

日本薬局方に収録されている生薬である。

発汗作用・鎮痛作用があるとされ、
漢方方剤の葛根湯、参蘇飲、
独活葛根湯などの原料になる。

風邪や胃腸不良(下痢)の時の民間治療薬として
古くから用いられてきた。

薬用として用いる場合の採集時期は、初夏が望ましい。

花を乾燥させたものを生薬名葛花(かっか)と呼ぶ。

開花初期の頃、房になった花すべてを採取し、
風通しのよい場所で速やかに乾燥。

有効成分は、イソフラボン。

かつては飼料としても重宝されたが、
こうした用途は減った。

「ウマノオコワ」
「ウマノボタモチ」といった地方名があるが、
馬だけではなく牛、ヤギ、ウサギなど
多くの草食動物が好んで食べる。

葛の繊維で編んだ布は
新石器時代の遺跡からも出土している。

つるを煮てから発酵させ、
取りだした繊維で編んだ布は葛布と呼ばれる。

現在に伝わっている製法の葛布は
平安時代ごろから作られていたとされる。

江戸時代には『和漢三才図会』でも紹介された。

かつては衣服・壁紙などに幅広く使われた。

現在では生活雑貨や土産物として、
数少ない専門店によって
小規模ながら生産が続けられている。

遠州、現在の静岡県掛川市の特産品である。

また、クズのつるは長いことから、
切り取ったつるが乾燥して固くなる前に編むことで、
籠などの生活用品を作ることができる。

2008年には、
クズ属植物からバイオマスエタノールを抽出する技術が
宮崎大学によって開発された。

日本においては
古くから絵画や意匠の題材として扱われ、
クズ固有の小さな葉を意匠的に図案化した
家紋が数多く存在する。

皇族・高円宮家の絢子女王のお印でもある。

葛は秋の七草のひとつに数えられるとともに、
秋の季語として多くの俳句に詠われている。

落語に『葛根湯医者』がある。

自転車屋の生き物歳時記  植物編  クズ

2019/08/26

自転車屋の生き物歳時記 アキアカネ

8月26日
月曜日

自転車屋を生き物歳時記

アキアカネ

昨日の蓬山峽沢歩きトレッキングでは
いわゆる赤トンボ
アキアカネをたくさん見ました。

近年のアキアカネは
山吹色やとオレンジの個体ばかりで
真っ赤なのはほとんどいないですね。

メスと
未成熟なオスしかいないからなのかもですが
赤トンボとは呼べなくなってきました。

アキアカネ
(秋茜、学名:Sympetrum frequens (Selys, 1883))は、
トンボ科アカネ属に分類されるトンボの一種。

日本では普通に見られる。

俗に赤とんぼと呼ばれ、
狭義にはこの種だけを赤とんぼと呼ぶことがある。

季節的な長距離移動がよく知られている。

日本特産種で、
大陸部では極東アジアからヨーロッパにかけて
広く分布する近縁種である
タイリクアキアカネ S. depressiusculum (Selys, 1841)と
置換する。

タイリクアキアカネは、
秋の後半に北西の季節風が吹き出す頃に、
日本列島に吹き寄せられたものが各地で記録されるが、
繁殖はしていないようで幼虫の発見例はない。

同様に
人里でよく知られた赤とんぼには
ナツアカネ S. darwinianum (Selys, 1883)がある。

アキアカネは夏に一旦低地から姿を消し、
秋に成熟成虫が大挙して出現するのに対して、
ナツアカネは生活史を通じて低地から姿を消さない。

そのために
夏にも低地で見られる方に
ナツアカネの和名が与えられたのであり、
活動時期自体は両種にほとんど差はない。

ロシア、中国、朝鮮半島、日本に分布する。

平地から山地にかけて、
水田、池、沼、湿地などに生育する。

底質は泥で、汚れた水質の環境に生育することが多い。

平地で孵化した未熟な成虫は
夏に涼しい山地へ移動し、成熟し秋になると平地に戻る。

日本では
小笠原諸島、沖縄県を除き各地に広く分布し、
奄美大島では過去に確認記録がある。

朝鮮半島からタイリクアキアカネに混じって
朝鮮半島タイプのアキアカネの飛来が確認されている。

全長はオスが32~46mm、メス:33~45 mm。

腹長はオスが19~22 mm、メス:21~30mm。

後翅長はオスが25~34 mm、メス:26~34mm。

オスは腹部第2節の下部に副性器(2次生殖器)があり、 成熟すると腹部が赤くなる。

メスは腹部が淡褐色のものと背面が赤いものがある。

顔面はオスが橙褐色で、メスが黄褐色。

オスは成熟しても頭部と腹部は赤くならない。

複眼は大きく、左右がくっ付き合って一続きとなり、
顔面の黒条の凹凸が目立たない個体が多い。

オスは第10節に連結交尾の際に
メスを捕獲するための尾部付属器があり、
メスには第8節下部に小さな生殖弁がある。

終齢幼虫に達した段階のヤゴの体長は16~20 mm、
頭幅は6・5~8mm。

背棘が第4~8節にあり、側棘が第8~9節にある。

1990年代後半から
日本各地でアキアカネの個体数が激減している。

その原因はイネ苗といっしょに水田に持ち込まれる
農薬の箱処理剤とみられている。

1993年からイミダクロプリド、
1996年からフィプロニルが箱処理剤として
全国的に出荷されている。

フィプロニルは
アキアカネの幼虫の致死率を高めることが
実験的に確認されていて、
北陸地方におけるフィプロニルの出荷量変化と
アキアカネやノシメトンボの個体数減少との間に
相関があることも確認されている。

日本の以下の都道府県で、
レッドリストの指定を受けている[16]。

絶滅危惧II類(VU)- 長崎県
分布特性上重要 - 鹿児島県

自転車屋の生き物歳時記  アキアカネ

2019/08/26

自転車屋の生き物歳時記 植物編 フサフジウツギ

8月26日
月曜日

自転車屋の生き物歳時記
植物編

フサフジウツギ

昨日の
蓬山峽沢歩きトレッキング
唐櫃台に向かう道沿いに
この房状の
小さくて可愛い花がたくさん咲いていました。

フジウツギ属(Buddleja)は
フジウツギ科(新しいAPG植物分類体系では
ゴマノハグサ科に含める)の植物の属である。

花が美しいので園芸用に栽培され、
属名からブッドレア(ブッドレヤ)
と呼ばれることが多い。

世界に約100種あり、
ほとんどは常緑または落葉性の低木だが、
一部に高さ30mに及ぶ高木や、草本もある。

ヨーロッパ・オーストラリアを除く
温帯・熱帯に分布する。

多くは芳香があり、
また蜜が多いのでよく蝶が吸蜜に訪れる。

サポニンを多く含むので有毒ともいう。

葉は長さ1~30cmで細長く、ほとんどは対生。

花は長さ1cmほどの筒状で、花びらの先が4裂し、
長さ10~50cmの密な円錐花序をなす。

花の色は種類により
白、桃色、赤、紫、橙色、黄色などいろいろある。

果実はさく果で
(ただし従来Nicodemia属とされていた種では液果)、
多数の種子を含む。

日本には
フジウツギB. japonica と
ウラジロフジウツギB. curviflora が自生する。

フジウツギ(藤空木)の名は
花序の様子や色が藤に似ていることから。

数種が園芸用に栽培されており、
特によく栽培されるのが
フサフジウツギ(ニシキフジウツギ)B. davidii である。

これは極端に寒い地域を除いて栽培しやすく、
野生化することも多い。

フサフジウツギは中国原産とされるが、
秩父で野生状態で発見されたため、
チチブフジウツギの別名がついている
(在来種とみる説もある)。

そのほか
オレンジ色のB. globosa や、
ライラック色のB. alternifolia、
またB. x weyeriana (B. globosa x B. davidii) などの
交雑種が栽培される。

沖縄県では
中国原産のトウフジウツギB. lindleyana が
よく栽培されている。

属学名は
イギリスの宣教師・植物学者バドルAdam Buddle
(1660 – 1715)にちなむ。

正しくは"Buddleia"になりそうだが、
リンネが"Buddleja"と書いたため
これが正式名として定着した。

自転車屋の生き物歳時記  植物編  フサフジウツギ