2023/06/12
自転車屋の生き物歳時記 植物編 ガクアジサイ
6月12日
月曜日
自転車屋の生き物歳時記
植物編
ガクアジサイ
昨日の森林植物園トレッキングで
たくさんのアジサイを見ましたが
ホンアジサイは園芸品種で
原産種は
ガクアジサイらしいですね。
ガクアジサイ(額紫陽花)
原種 H. macrophylla f. normalis
房総半島、三浦半島、伊豆半島、伊豆諸島、
和歌山県神島、四国足摺岬、
南硫黄島、北硫黄島で海岸に自生する
(足摺岬のものは人為的植栽起源)。
このため、ハマアジサイとも呼ばれる。
半常緑の低木で、高さは2 m程度だが、
4 mに達することもある。
庭木や公園樹としても植えられる。
花序は多数の両性花を中心として、
装飾花が周りを縁取る。
名称の「ガク」はこのさまを
額縁になぞらえたものである。
花序は直径12 - 18 cm、装飾花は直径3 - 6 cmで
色は白色・青色・淡青緑色・または淡赤紫色、
両性花は濃紫色である。
まれに白色などもある。
葉は広卵形で鋸歯がある。
まは葉は厚く、大きく(長さ10 - 18 cm)、
種小名 macro (大きい)
phyllus (葉)の由来となっている。
葉の表面は濃緑色で光沢がある。
外側の装飾花は実を結ばないが、
中央部の多数の両性花は卵形の蒴果をつける、
冬でも枯れた花序に果実だけが残っていて、
装飾花は落ちている。
冬芽は対生し、
頂芽は裸芽で長卵形、測芽は小さく芽鱗2枚に包まれる。
葉痕は倒松形や腎形で維管束根が3個つく。
栽培品種に ‘花火’、‘城ヶ崎’ などがある。
2023/06/12
自転車屋の生き物歳時記 アカハライモリ
6月12日
月曜日
自転車屋の生き物歳時記
アカハライモリ
昨日の森林植物園トレッキングで
園内の小さな池に
アカハライモリが
たくさんいるのを見かけました。
アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)は、
有尾目イモリ科イモリ属に分類される両生類の一種。
略してアカハラと呼ばれるほか、
日本で単にイモリと呼ぶ場合本種を指すことが多い。
ニホンイモリ(日本井守、日本蠑螈)という別名もある。
日本の固有種で
本州、四国、九州とその周囲の島嶼に分布する、
当該地域に分布するイモリとしては唯一の種でもある。
島嶼では
佐渡島、隠岐諸島、壱岐島、五島列島、
大隅諸島まで分布するが、
対馬島には分布していない。
大隅諸島では近年、生息の確認は無い。
北海道や伊豆諸島などには本来分布していなかったが、
人為的に移入されたものが増えており問題となっている。
なお、
奄美大島から沖縄本島には
シリケンイモリとイボイモリが分布する。
全長は10cm前後で、
2対4本の短い前足及び2対5本の後ろ足と長い尾を持つ。
サンショウウオ類と異なり皮膚がザラザラしている。
背中側は黒-茶褐色で、
腹は赤地に黒の斑点模様になっている。
赤みや斑点模様は地域差や個体差があり、
ほとんど黒いものや全く斑点が無いもの、
逆に背中まで赤いものもいる。
フグと同じテトロドトキシンという毒があり、
腹の赤黒の斑点模様は毒を持つことを
他の動物に知らせる
警戒色になっていると考えられている。
陸上で強い物理刺激を受けると横に倒れて体を反らせ、
赤い腹を見せる動作を行う。
イモリは脊椎動物としては、
特に再生能力が高いことでも知られている。
たとえば、
尾を切ったとしても本種では完全に骨まで再生するほか、また四肢を肩の関節より先で切断しても
指先まで完全に再生し、
さらには目のレンズも再生することができる。
この性質は教科書にも記載されている。
多くの脊椎動物ではこれらの部位は再生できない。
ちなみに、
尾を自切して再生することが知られているトカゲでも、
尾骨までは再生しない。
イモリの再生能力は、
ヒトの皮膚治療など再生医学への
応用を視野に入れた研究対象になっている。
なお、
この再生能力の高さは、
生態学的研究の立場からは障害になる場合がある。
個体識別をするための
マーキングが困難となるためである。
一般に小型の両生類や爬虫類では
様々なパターンで足指を切ってマーキングしたり
個体識別(トークリッピング)を行うが、
イモリの場合には簡単に再生してしまう。
尾に切れ込みを入れても、傷が浅ければすぐに再生する。
さらに札などを縫いつけても、
やはり皮膚が切れて外れやすく、
その傷もすぐに癒えてしまう。
水田、池、川の淀みなど流れのない淡水中に生息する。
繁殖期以外は水辺の近くの林や、
クズなどの茂る草地の水気の多い
枯れ草の下などに潜むことが多い。
本種の成体は繁殖期以外も水中で生活することが多い。
ただし雨の日には水から出て移動することもある。
冬は水路の落ち葉の下や
水辺近くの石の下などで冬眠する。
ユスリカやミズムシ類などの昆虫を中心に、
他の両生類の卵や幼生といった小型生物を捕食する。
モリアオガエルやアベサンショウウオなど、
希少な両生類の生息地では厄介者とされる。
和名の「井守」は、
野井戸の中にも生息するので
「井戸を守る」に由来するという説や、
井は田んぼを意味し、
水田に生息することから
「田を守る」との意味に由来するという説がある。
名前がヤモリと似ている。
しかし、
ヤモリは爬虫類であること、
人家の外壁などに生息し一生を通じて
水中に入ることがないこと、
変態をしないことなどが、イモリとの相違点である。
春になり気温が上昇し始めると、成体が水中に姿を現す。
オスがメスの行く先に回り込み、
紫色の婚姻色を呈した尾を身体の横まで曲げて
小刻みに振るわせるなど複雑な求愛行動を行う。
このときに
オスが分泌するフェロモンであるソデフリン
(sodefrin、額田王の短歌
「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」
にちなむ)が、
脊椎動物初のペプチドフェロモンとして報告されている。
メスが受け入れる態勢になると、
メスはオスの後ろについて歩き、
オスの尾に触れる合図を送ると、
オスが精子嚢を落としメスが総排出腔から取り込む。
その際に
オスの求愛行動に地域差があり、
地域が異なる個体間では交配が成立しにくいといわれる。
メスは、
寒天質に包まれた受精卵を
水中の水草の葉にくるむように1つずつ産卵する。
流水に産卵する種類がいるサンショウウオ類に対し、
アカハライモリは
水たまり、池、川の淀みなど流れの無い止水域で
産卵・発生する。
卵から孵った幼生は
アホロートルのような外鰓(えら)があり、
さらにバランサーという突起をもつ。
幼生ははじめのうちは足も生えていないが、
やがて前後の脚が生える。
ただし
カエル(オタマジャクシ)はまず後脚から生えるが、
イモリは前脚が先に生える。
外鰓があるうちは水中で小動物を食べて成長するが、
口に入りそうな動くものには何にでも食いつくため、
共食いすることもある。
幼生は十分成長すると、
外鰓が消えて成体と同じような形の幼体となり、
上陸する。
幼生の皮膚は滑らかだが、
幼体の皮膚は成体と同じくざらざらしており、
乾燥には幾分抵抗性がある。
そのため、
上陸した幼体を無理に水に戻すと、
皮膚が水をはじいて気泡がまとわりつき、
銀色に見えることがある。
幼体は、
森林内などで小さな昆虫や陸棲貝類、
ミミズなどの土壌動物を捕食して3-5年かけて成長し、
成熟すると再び水域に戻ってくる。
田園地帯や森林に囲まれた水域では
目にする機会も多いが、
市街地などの護岸された水域では少ない。
市街地での個体数の減少に伴い、
2006年には環境省レッドリストでも
準絶滅危惧種として記載され、
埼玉県のように条例で捕獲を規制する自治体も現れた。
他地域でも絶滅が危惧されている個体群は少なくない。
2023/06/11
自転車屋の生き物歳時記 モリアオガエル
6月11日
日曜日
自転車屋の生き物歳時記
モリアオガエル
本日の森林植物園トレッキングにて
園内入口近くの池で
モリアオガエルの卵塊をいくつも見ました。
モリアオガエルの成体も見ました。
アマガエルよりもだいぶん大きいですね!
モリアオガエル
(森青蛙、学名:Zhangixalus arboreus)は、
両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属に
分類されるカエル。
日本の固有種で、本州と佐渡島に分布する。
ただし、
神奈川県と千葉県では人為的に移入された疑いがある。
また、四国と九州の分布ははっきりしていない。
離島については、
1970年頃から
伊豆大島に外来種として移入分布している。
学名は
「樹上棲の、ボロをまとったもの」という意味。
発見当初は
シュレーゲルアオガエルの2つの変種、
モリアオガエル(var. arborea)と
キタアオガエル(var. intermedia)として記載された。
後に分類を検討し直した結果、
両者ともに亜種に昇格となり、
キタアオガエルは
モリアオガエルに含まれることになった。
さらに交配実験などにより、
モリアオガエルは
シュレーゲルアオガエルとは
独立の別種であることが判明した。
体長はオスが42-62mm、
メスが59-82mmほどで、メスの方が大きい。
オスは咽頭下に単一の鳴嚢をもち、
これを膨らませて鳴く。
指先には丸い吸盤があり、
木の上での生活に適応している。
第3指が最も長く、吸盤も大きい。
指の間には水かきが発達する。
体色は個体差が大きく、
全身が緑色を呈する個体もいれば、
地方個体群によっては
全身に褐色の斑紋が出る個体もいる。
また、
体表にはつやがなく、
目の虹彩が赤褐色なのも特徴である。
ニホンアマガエルや
シュレーゲルアオガエルと似ているが、
モリアオガエルはより大型になる。
また、
ニホンアマガエルとは
目から耳にかけて黒い帯模様がないこと、
シュレーゲルアオガエルとは
虹彩が赤っぽいことで区別できる。
一つの卵の大きさは2.6mmほどであるが、
幼生(オタマジャクシ)は全長51mmまで成長し、
尾は細くてやや長い。
オタマジャクシは両目の間隔が広い。
変態したばがりの時期の体長は15-22mm程度である。
山地で多く見られ、
非繁殖期はおもに森林に生息するが、
繁殖期の4月から7月にかけては
生息地付近の湖沼や水田、湿地に集まる。
成体は他のカエルと同様に肉食性で、
昆虫類やクモ類などを捕食する。
一方、
成体の天敵はヤマカガシ、ニホンイタチ、
ニホンアナグマ、タヌキなどである。
モリアオガエルの生活史の特性は、
特に産卵生態によって特徴付けられる。
カエルは水中に産卵するものがほとんどだが、
モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝や草の上、
地上などに粘液を泡立てて作る
泡で包まれた卵塊を産みつける。
泡の塊の中に産卵する習性は
多くのアオガエル科のカエルで共通しているが、
モリアオガエルは産卵場所が
目立つ樹上であることもあり、
日本本土産のアオガエル科のカエルでは
他に泡状の卵塊を形成する種が地中産卵性で
小型のシュレーゲルアオガエルしかいないこともあって
特に目立った存在となっている。
繁殖期になると、
まずオスが産卵場所に集まり、鳴きながらメスを待つ。
鳴き声は「カララ・カララ」と鳴いた後、
「コロコロ」「クックック」と続く。
メスが産卵場所にやってくると
オスが背中にしがみつき、産卵行動が始まるが、
卵塊の形成が進むに連れて1匹のメスに
数匹のオスが群がる場合が多い。
産卵・受精が行われると同時に粘液が分泌されるが、
この粘液を集まったオスメスが足でかき回し、
受精卵を含んだ白い泡の塊を作る。
直径10-15 cmほどの泡の塊の中には
黄白色の卵が300-800個ほど産みつけられる。
泡の中では複数のオスの精子が
メスが産んだ未受精卵をめぐって
激しい競争を繰り広げると考えられており、
モリアオガエルの精巣の大きさが
際立って大きいことの原因と推測されている。
泡は表面が乾燥して紙のようなシートとなって
黄白色の卵塊となり、
孵化するまで卵を守る役割を果たす。
約1週間ほど経って卵が孵化する。
孵化したオタマジャクシは
泡の塊の中で雨を待ち、
雨で溶け崩れる泡の塊とともに
下の水面へ次々と落下する。
孵化したばかりのオタマジャクシは
腹部に卵黄を抱えているため腹が黄色をしているが、
やがて卵黄が吸収され、全身が灰褐色となる。
オタマジャクシは
藻類や動物の死骸などを小さな歯で削りとって食べる。
オタマジャクシは1ヶ月ほどかけて成長するが、
この間の天敵は
ヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチ、
アカハライモリなどである。
イモリは、
幼生が泡巣から落下する時に、
その真下で待ちかまえていて、
落ちてくる幼生をぱくぱく食べる。
前後の足が生えて
カエルの姿になった幼体は上陸し、
しばらくは水辺で生活するが、
やがて森林で生活を始める。
冬眠は浅い土中やコケの下で行われる。
モリアオガエルは
各地で生息数を減らしていると考えられている。
おもな理由は生息地の森林などに人の手が入り、
環境が変化したことが挙げられている。
一方で、
環境省のレッドリストには指定されていない。
さらに国際自然保護連合 (IUCN) では
2004年からレッドリストの軽度懸念 (LC) と評価しており、個体数は安定傾向にあるとしている。
福島県双葉郡川内村平伏沼(へぶすぬま)の繁殖地、
また岩手県八幡平市の
大揚沼モリアオガエルおよびその繁殖地が
国指定の天然記念物と指定されている他、
各自治体レベルでの天然記念物指定は数多い。
愛知県新城市の市のカエルの指定を受けている。