2023/06/16
自転車屋の生き物歳時記 セマダラコガネ
6月16日
金曜日
自転車屋の生き物歳時記
セマダラコガネ
昨日
ハエよりは少し大きめの虫が
お店に飛んで入って来た。
ハチでも無さそうやし
甲虫の類いだなと思い留まるまで見ていた。
この時期に毎年のように見る
セマダラコガネと言う小型のコガネムシだった。
セマダラコガネは
小型のコガネムシ科の昆虫の1種。
日本各地でごく普通種で、
前胸背と前翅の上に黒いまだら模様がある。
成虫も幼虫も植食性で農業害虫である。
北アメリカに移入してオリエンタルビートルと呼ばれ、
芝生の害虫として知られる。
全体に卵形をした小型のコガネムシである。
体長9-13mm、幅5-8mm。
背面は茶褐色に黒褐色の斑紋があるが、
色彩に関しては個体変異が著しい。
頭部は大きめで、頭楯は黄褐色でほぼ矩形、
その縁は黒褐色で上向きに反り、角は丸くなっており、
上面には浅い点刻が密に入っている。
触角は9節、濃褐色で先端3節は
上側が伸びて平たくなっている。
雄ではこの部分がそこまでの部分より長い。
前胸背はその幅が長さの2倍、
その縁はそれぞれの方向で中央が張り出し、
前方の角は角張って突き出す。
その背面は盛り上がり、
色は普通は茶褐色で黒緑色の大きな斑紋が左右にあるが、全面が茶黄色になるものから
黒緑になるものまで変異がある。
点刻は大きくて深いものが密にある。
小楯板は茶褐色で楯形、先が尖り、
中央には縦向きの窪んだ線があり、細かな点刻がある。
鞘翅は縦溝が深く、列間は高く、小点がまばらにある。
普通は茶褐色で黒っぽい鷹羽状の斑紋が3段に出るが、
全面が茶褐色から黒緑までの連続的な色彩変異がある。
琉球列島以外の日本全土に分布し、日本固有種である。
ただし
現在ではミクロネシアやハワイ、
それに北アメリカに移入種として定着している。
これには異説があり、
フィリピン諸島が元々の生息地であり、
そこから日本に持ち込まれ、
日本全土に広まった種がさらに
ハワイなどに持ち込まれたという。
発生は年1回で、成虫は6-8月に見られる。
昼行性で、
広葉樹を中心に様々な植物の葉や花を食べる。
夜間は希に灯火に飛来する。
幼虫越冬で5月下旬頃より蛹になる。
農業害虫として知られる。
梅谷、岡田編(2003)では本種は繰り返し取り上げられ、
それによると芝生への被害が最も大きいようである。
幼虫が芝草の根を食べるものの、
従来はさほどの被害をなすものではなかった。
しかし
近年にゴルフ場の芝生に本種が大発生し、
甚大な被害を与える例がある。
また材木苗圃の害虫としても古くから知られる。
それ以外では被害はさほどのものでなく、
それでも取り上げられるのが多いのは
その食性が広範にわたるためらしい。
ラッカセイでは根に被害を与えたという報告は一応あり、また葉を食害してかなりの密度に達する例はあるが
ドウガネブイブイほどの被害は出さない。
ダイズの葉の食害ではその被害は無視出来る程度、
カキについても同様らしい。
オウトウやリンゴでは局地的だが被害を出す。
柑橘類では花に飛来して加害することがある。
バラでもごく普通に飛来し、
花の中に潜り込んで食害すると言うが、
実害はあまりないとのこと。