2023/08/10
自転車屋の生き物歳時記 ヒグラシ
8月10日
木曜日
自転車屋の生き物歳時記
ヒグラシ
昨日の午後7時頃
珍しくヒグラシの鳴き声を聴いた。
ヒグラシの鳴き声は
どこか涼しげでいいね!
ヒグラシ(日暮、Tanna japonensis)は、
カメムシ目(半翅目)・セミ科に属するセミの一種。
日本を含む東アジアに分布する中型のセミで、
朝夕に甲高い声で鳴く。
日本では
その鳴き声からカナカナ、カナカナ蟬などとも呼ばれる。
漢字表記は
蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蟬などがあり、
秋の季語にもなっている。
成虫の体長は
オス28-38mm、メス21-25mmほど。
オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、
オスメスの区別がつけ易い。
また、
オスの腹腔内は大きな共鳴室が発達しているため
ほとんど空洞で、光が透けるほどである。
体色はほとんど赤褐色だが、
頭部の複眼附近、前胸の縁と背面中央は緑色をしている。
ただし体色は個体群によって変異することがあり、
山地のものはより黒っぽくなる傾向がある。
なお、
おもにヒグラシの成虫の寄生虫として
セミヤドリガ(Epipomponia nawai、Dyar, 1904)という
ガの一種が知られ、
成虫の腹部に1匹-数匹の蛆虫型のセミヤドリガの幼虫が
外部寄生していることがある。
またニクバエ科の一種・ヒグラシヤチニクバエ
(ヒグラシヤドリバエ、Angiometopa cicadina、Kato, 1943)も稀にヒグラシに寄生するとされる。
日本では
北海道南部から奄美大島
(原名亜種。亜種イシガキヒグラシは下記参照)と、
ほぼ全国の範囲に生息する。
日本以外では中国大陸に分布
(朝鮮半島には分布しない。
かつて記録されたことがあったが、
現在は誤記録とされる)。
広葉樹林やスギやヒノキの林に生息し、
北海道から九州北部では平地から山地まで見られるが、
九州南部以南ではやや標高の高い山地に生息する。
俳句では秋の季語とされ、
晩夏に鳴くセミのイメージがあるが、
実際には(地域にもよるが)成虫は
梅雨の最中の6月下旬頃から7月にかけて発生し、
ニイニイゼミと同じく、
むしろ他のセミより早く鳴き始める。
以後は9月中旬頃まで
ほぼ連日鳴き声を聞くことができる。
オスの鳴き声は甲高く、
「キキキキキ…」「ケケケケケ…」
「カナカナカナ…」などと聞こえる。
標準的な聞きなしとしては「カナカナ」が使われる。
日の出前・日の入り後の薄明時によく鳴くが、
曇って薄暗くなった時、気温が下がった時、
または林内の暗い区域などでは日中でも鳴く。
夕方の日暮れ時に鳴く
(稀に夜中の2時ぐらいにも鳴くことがある)ことから、「日を暮れさせるもの」としてヒグラシの和名がついた。
また
奄美大島産は鳴き声が本土産と多少異なるが、
イシガキヒグラシほどではない。
朝夕に響く声は涼感や物悲しさを感じさせ、
日本では古来より美しい声で鳴くセミとして
文学などの題材にも使われてきた。
テレビ番組などでも
「夏の夕暮れ」を表す効果音として
この鳴き声がよく用いられる。
しかし間近で聞く声はかなり大きく、
遠くで聴く「物悲しい印象」とは異なるともいう。
鳴く時間帯は、基本的に朝夕である。