2023/10/10
自転車屋の生き物歳時記 アサギマダラ
10月10日
火曜日
旧 体育の日
自転車屋の生き物歳時記
アサギマダラ
今朝
街中ではとても珍しいチョウを見かけた。
いつものように
アゲハチョウが飛んでいるのかと思ったが
アゲハにしては黄色い部分が
白いし黒い部分が茶色い。
あれはアサギマダラだ!
アサギマダラ
(浅葱斑、学名:Parantica sita)は、
チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類される
チョウの1種。
翅の模様が鮮やかな大型のチョウで、
長距離を移動する。
成虫の前翅長は5 - 6 cmほど。
翅の内側が白っぽく、黒い翅脈が走る。
この白っぽい部分は厳密には半透明の水色で、
鱗粉が少ない。
和名にある
「浅葱(あさぎ)」とは青緑色の古称で、
この部分の色に由来する。
翅の外側は前翅は黒、後翅は褐色で、
ここにも半透明水色の斑点が並ぶ。
オスとメスの区別はつけにくいが、
オスは腹部先端にフェロモンを分泌する
ヘアペンシルという器官を持つ。
また翅を閉じたときに、
尾に当たる部分に濃い褐色斑があるものがオスである。
性票であり、メスにはない。
アゲハチョウ科の様に
細かく羽ばたかずにふわふわと飛翔し、
また、
人をあまり恐れずよく目にするため人気が高い。
日本昆虫学会による国蝶選定の際に、
ナミアゲハやアオスジアゲハ等と共に候補に選ばれたが
結局はオオムラサキが選定された。
夏から秋にかけては
フジバカマ、ヒヨドリバナ、アザミなどの
キク科植物の花によく集まり、
吸蜜する姿が見られる。
日本の南西諸島から東南アジアにかけて分布する
リュウキュウアサギマダラは、
「アサギマダラ」の名が付くが、
リュウキュウアサギマダラ属に属する
別属のチョウである。
幼虫はキョウチクトウ科
(旧分類ではガガイモ科)のキジョラン、カモメヅル、
イケマ、サクラランなどを食草とし、
卵は食草の葉裏に産みつけられる。
幼虫は黒の地に黄色の斑点が4列に並び、
その周囲に白い斑点がたくさんある。
また、前胸部と尾部に2本の黒い角をもつ。
関東以西の沿岸部付近などでは、
冬が近づくと常緑性であるキジョランに産卵され、
2~3齢程度の幼虫で越冬する。
蛹は垂蛹型で、尾部だけで逆さ吊りになる。
蛹は青緑色で、金属光沢のある黒い斑点がある。
幼虫の食草となる旧ガガイモ科植物は
どれも毒性の強いアルカロイドを含む。
アサギマダラは
これらのアルカロイドを取りこむことで毒化し、
敵から身を守っている。
アサギマダラは幼虫・蛹・成虫と
どれも鮮やかな体色をしているが、
これは毒を持っていることを敵に知らせる
警戒色と考えられている。
また、
成虫のオスがよく集まるヒヨドリバナやフジバカマ、
スナビキソウなどには、
ピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれ、
オスは性フェロモン分泌のために
ピロリジジンアルカロイドの摂取が
必要と考えられている。
日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、
ヒマラヤ山脈まで広く分布する。
分布域の中でいくつかの亜種に分かれていて、
このうち日本に分布するのは
亜種 P. s. niphonica とされる。
標高の高い山地に多く生息する。
九州以北で成虫が見られるのは
5月から10月くらいまでだが、
南西諸島では逆に秋から冬にかけて見られる。
アサギマダラの成虫は長年のマーキング調査で、
秋に日本本土から
南西諸島・台湾への渡り個体が多く発見され、
または少数だが初夏から夏に
その逆のコースで北上している個体が発見されている。
日本本土の太平洋沿岸の暖地や
中四国・九州では幼虫越冬するので、
春から初夏に本州で観察される個体の多くは
本土で羽化した個体と推測される。
秋の南下では
直線距離1,500 km以上移動した個体や、
1日あたり200 km以上の距離を移動した個体も
確認されている。