ブログ

2024/06/05

自転車屋の生き物歳時記 ヘイケボタル

6月5日
水曜日
芒種

自転車屋の生き物歳時記

ヘイケボタル

ヘイケボタル(平家蛍、学名: Aquatica lateralis)は、
コウチュウ目ホタル科に分類されるホタルの1種である。

日本では、ゲンジボタルと並んで、
身近な光るホタルである。

ゲンジボタルより小型で、
より汚れた水域にも生息する。

ゲンジボタルが日本固有種なのに対し、
東シベリアや朝鮮半島などにも分布する。

また、
ゲンジボタル、クメジマボタルと並んで
幼虫が水中棲息するホタルであり、
日本産水生ホタル3種の中では最も小型である。

名称は、ゲンジボタルとの対比で、
似ているがより小型であることからの
名づけられたものと思われる。

ゲンジボタルが渓流のような清冽で、
流れのはやい水域に生息するのに比べ、
ヘイケボタルは水田、湿原といった止水域を
主たる繁殖地としている。

幼虫の餌になるのは、
止水に生息するモノアラガイなどである。

雄の光の点滅の速さはゲンジボタルより明らかに早く、
明滅時に星が瞬くような光り方をする。

発生期間も長く、2種が同じ水域で発生することも多い。

山間部の農村では、水田周辺に本種が、
河川付近にゲンジボタルが発生し、
実際には両者が一部で入り交じって発光する。

ただし、ゲンジボタルのように、
短い期間に集中的に発生することが少なく、
発生は長期に渡るが密度は高くならないのが普通である。

かつては水田周辺ではどこでも簡単に見られたものだが、水田への農薬散布や水田周辺の環境変化に伴い、
生息環境が狭められている。

自転車屋の生き物歳時記  ヘイケボタル

2024/06/05

芒種(ぼうしゅ)

6月5日
水曜日

芒種(ぼうしゅ)

二十四節気の一つ。

芒(のぎ 、イネ科植物の果実を包む穎(えい)
すなわち稲でいう籾殻にあるとげのような突起)
を持った植物の種をまくころ。

『暦便覧』には
「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と
記されている。

実際には、現在の種まきはこれよりも早い。

西日本では梅雨入りのころ。

沖縄県では小満から芒種が梅雨の時期に当たり、
梅雨のことを沖縄方言で
「小満芒種(すーまんぼーすー)」と言う。

関西では
例年なら梅雨入りの頃ですが
今年の梅雨入りは
どうやら来週になりそうですね。

芒種(ぼうしゅ)

2024/06/04

自転車屋の生き物歳時記 ゲンジボタル

6月4日
火曜日

自転車屋の生き物歳時記

ゲンジボタル

虫の日と言う事で昆虫です。

季節的には
ホタルの成虫が現れる頃なので
ホタル特集。

ゲンジボタル(源氏蛍、Nipponoluciola cruciata)は、
コウチュウ目(鞘翅目)ホタル科に分類される
ホタルの1種である。

成虫の体長は15mm前後で、
日本産ホタル類の中では大型の種類である。

複眼が丸くて大きい。

体色は黒色だが、前胸部の左右がピンク色で、
中央に十字架形の黒い模様があり、
学名のcruciataはここに由来する。

また、尾部には淡い黄緑色の発光器官がある。

オスとメスを比較すると、メスのほうが体が大きい。

また、オスは第6腹節と第7腹節が発光するが、
メスは第6腹節だけが発光する。

日本で「ホタル」といえば
この種類を指すことが多く、
もっとも親しまれているホタルである。

成虫は夜に活動するが、
発光によって他の個体と通信をはかり、
出会ったオスとメスは交尾をおこなう。

交尾を終えたメスは
川岸の木や石に生えたコケの中に産卵する。

卵ははじめ黄白色だが、やがて黒ずんでくる。

卵の中で発生が進むと、卵の中で幼虫が発光を始める。

夏になると幼虫が孵化する。

幼虫は
灰褐色のイモムシのような外見で、
親とは似つかないが、
すでに尾部に発光器官を備えている。

幼虫はすぐに川の中へ入り、
清流の流れのゆるい所で
カワニナを捕食しながら成長する。

カワニナを発見すると軟体部にかみつき、
消化液を分泌して肉を溶かしながら食べる。

秋、冬を経て翌年の春になる頃には、
幼虫は体長2-3cmほどに成長し、
成虫よりも大きくなる。

春になって充分に成長した幼虫は
雨の日の夜に川岸に上陸する。

川岸のやわらかい土にもぐりこみ、
周囲の泥を固めて繭を作り、その中で蛹になる。

蛹ははじめ黄白色だが、
やがて皮膚越しに成虫の黒い体が
浮かび上がるようになり、発光もはじまる。

成虫は5月から6月にかけて発生する。

夜に活動し、昼には深い草陰で休んでいる。

成虫になると水分を摂取するのみで、
活動や産卵は幼虫時代に摂った栄養分でおこなう。

成虫の期間は2-3週間ほどしかない。

日本固有種で、
本州、四国、九州と周囲の島に分布し、
水がきれいな川に生息する。

環境省カテゴリーは、指標昆虫である。

成虫は通常、5月から7月にかけて発生。

ただし地方によって差はあり、
長野県の志賀高原では10月から11月にも見られる。

オスは川の上空を飛び回りながら、
メスは川辺の草の上などに止まって発光する。

また、発光のパターンは西日本と東日本で違い、
西日本のほうが発光のテンポが速い。

これらの分布は、
フォッサマグナ西縁地帯が境となっているが、
この地域には中間型も見られる。

現段階では、
このような発光周期の差がなぜ生じたか
はっきりしていない。

平家打倒の夢破れ、
無念の最期を遂げた源頼政の思いが
夜空に高く飛び舞う蛍に喩えられた。

平家に敗れた源頼政が
亡霊になり蛍となって戦うと言う伝説があり、
「源氏蛍」の名前もここに由来している。

また、腹部が発光する(光る)ことを、
『源氏物語』の主役
光源氏にかけたことが由来という説もあり、
こちらの場合は清和源氏とは関係はない。

より小型の別種のホタルが、
最終的に源平合戦に勝利した清和源氏と対比する意味で
ヘイケボタルと名づけられたという説もある。

夜に川辺で発光するゲンジボタルは
初夏の風物詩として人気が高く、
各地に蛍の名所と言われる場所があるが、
生息域が各地で狭まっている。

もちろん川の汚染により
幼虫やカワニナが生存できなくなることが
主な要因の一つだが、
他にも川岸を護岸で覆ってしまうと
幼虫が蛹になれないし、
成虫が活動する夜に車のライトや外灯を点灯させると
ホタルの活動の妨げとなる。

そのため、
都会で蛍を放して楽しんだり、
地方でも蛍の人工飼育をおこない、
発生の少なくなった
名所に放すというようなことも行われた。

人工飼育の技術は、
現在では、かなり確立されたものになっている。

現在では、自然保護の思想の普及もあって、
河川の浄化や自然の回復を目指す中で、
ゲンジボタルの保護や定着の試みが
日本各地で行われている。

しかし前述のように、
水質の浄化だけではなく、親が産卵し、
幼虫が蛹化のために上陸する岸辺、
休息するための河川周辺の環境までの整備が
不可欠である。

また、餌となるカワニナはもちろん、
各成長段階に対応した環境が必要である。

しかしながら蛍は成虫の期間が短く、
その生活範囲も狭いので、
水中と岸辺までの整備ができれば
ホタルの定着はそれほど困難ではない。

むしろ、
ホタルが定着したことで
河川を含む環境が良くなったと考えるのは、
必ずしも十分ではないとも言える。

たとえばトンボ類であれば、
成虫が河川周辺の広い範囲を飛び回り、
そこで餌を食べ、種によっては
縄張りを作るなど様々な行動をする必要があるため、
はるかに広い範囲の自然環境を必要とする。

自転車屋の生き物歳時記  ゲンジボタル