2024/08/26
自転車屋の生き物歳時記 ヒグラシ
8月26日
月曜日
自転車屋の生き物歳時記
ヒグラシ
クマゼミも
ほとんど鳴かなくなりましたが
昨日の深夜に
微かに
ヒグラシが鳴いていました。
ヒグラシの鳴き声を聴くと
秋は近づいているのかなと感じます。
ヒグラシ(日暮、Tanna japonensis)は、
カメムシ目(半翅目)・セミ科に属するセミの一種。
日本を含む東アジアに分布する中型のセミで、
朝夕に甲高い声で鳴く。
日本ではその鳴き声から
カナカナ、カナカナ蝉などとも呼ばれる。
漢字表記は
蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蝉などがあり、
秋の季語にもなっている。
成虫の体長は
オス28~38mm、メス21~25mmほど。
オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、
オスメスの区別がつけ易い。
また、
オスの腹腔内は大きな共鳴室が発達しているため
ほとんど空洞で、光が透けるほどである。
体色はほとんど赤褐色だが、
頭部の複眼附近、前胸の縁と背面中央は緑色をしている。
ただし
体色は個体群によって変異することがあり、
山地のものはより黒っぽくなる傾向がある。
なお、
おもにヒグラシの成虫の寄生虫として
セミヤドリガ(Epipomponia nawai、Dyar, 1904)というガの一種が知られ、
成虫の腹部に1匹-数匹の蛆虫型の
セミヤドリガの幼虫が外部寄生していることがある。
またニクバエ科の一種・ヒグラシヤチニクバエ
(ヒグラシヤドリバエ、Angiometopa cicadina、Kato, 1943)も稀にヒグラシに寄生するとされる。
日本では
北海道南部から奄美大島(原名亜種。
亜種イシガキヒグラシ)と、ほぼ全国の範囲に生息する。
日本以外では中国大陸に分布
(朝鮮半島には分布しない。
かつて記録されたことがあったが、
現在は誤記録とされる)。
広葉樹林やスギやヒノキの林に生息し、
北海道から九州北部では平地から山地まで見られるが、
九州南部以南ではやや標高の高い山地に生息する。
俳句では秋の季語とされ、
晩夏に鳴くセミのイメージがあるが、
実際には(地域にもよるが)成虫は
梅雨の最中の6月下旬頃から7月にかけて発生し、
ニイニイゼミと同じく、
むしろ他のセミより早く鳴き始める。
以後は9月中旬頃まで
ほぼ連日鳴き声を聞くことができる。
鳴く時間帯は、基本的に朝夕である。
オスの鳴き声は甲高く、
「キキキキキ…」「ケケケケケ…」
「カナカナカナ…」などと聞こえる。
標準的な聞きなしとしては「カナカナ」が使われる。
日の出前・日の入り後の薄明時によく鳴くが、
曇って薄暗くなった時、気温が下がった時、
または林内の暗い区域などでは日中でも鳴く。
夕方の日暮れ時に鳴く
(稀に夜中の2時ぐらいにも鳴くことがある)ことから、「日を暮れさせるもの」として
ヒグラシの和名がついた。
また
奄美大島産は鳴き声が本土産と多少異なるが、
イシガキヒグラシほどではない。
朝夕に響く声は涼感や物悲しさを感じさせ、
日本では古来より美しい声で鳴くセミとして
文学などの題材にも使われてきた。
テレビ番組などでも
「夏の夕暮れ」を表す効果音として
この鳴き声がよく用いられる。
しかし間近で聞く声はかなり大きく、
遠くで聴く「物悲しい印象」とは異なるともいう。
2024/08/26
吉田の火祭り
8月26日
月曜日
吉田の火祭
日本三奇祭のひとつ。
26日の「鎮火祭」と
翌27日の「すすき祭り」で構成。
富士山の夏山シーズンの終わりを告げる。
吉田の火祭は、
起源こそ明らかではないものの、
祭礼そのものを記した文献は
1572年(元亀3年)の
古吉田から上吉田への移転の際の屋敷割帳に、
御旅所となる大玉屋(御師)の所に御幸道の記載がある。
つまり
その頃すでに、
神輿による巡幸があったということが確認できる。
また、
松明を燃やす篝火については、
1729年(享保14年)の篝火伐採訴訟の文書の中に、祭典で火を焚くことが
恒例である旨の記述が確認できる。
2024/08/25
自転車屋の生き物歳時記 バテイラ(貝)
8月25日
日曜日
自転車屋の生き物歳時記
バテイラ(貝)
関東では
シッタカと呼ばれている巻き貝。
夏に良く捕れて
流通しているようです。
バテイラ(馬蹄螺)、
学名 Omphalius pfeifferi pfeifferi は、
古腹足類のクボガイ科に分類される巻貝の一種。
北海道南部~九州の太平洋沿岸の岩礁海岸に生息し、
海藻類を餌としている。
本州の日本海側と朝鮮半島南部に分布する
オオコシダカガンガラ(大腰高岩殻)は
本種の亜種 O. p. carpenteri (Dunker, 1882) とされている。
しばしば食用にも漁獲され、
市場に出回るときは近縁種と同様に
「シッタカ」「しったか貝」(尻高貝の意)などの名で
売られることが多い。
他にカジメダマ、サンカクミナなどの地方名がある。
成貝は
殻高50mm、殻径55mmほどになるが、
さらに大きくなることもあり、
本州の磯に棲む古腹足類としては比較的大型の種である。
貝殻は正円錐形で周縁は明瞭に角張り、
底面は平坦で少し凹む感じになる。
約7層の螺層はほとんどふくらまず、
輪郭はほぼ正三角形。
ただしおおむね2cm以下の小型個体は
大型個体に比べて平べったく、
一見別種に見えることもある。
殻表には弱い斜めの肋があるものから
ほとんどなめらかなものまである。
殻色は黒褐色~灰褐色で、
生きている時は真っ黒に見えるが、
時に紅藻のカイノカワ Peyssonnelia japonica に
おおわれて全体に茶褐色に見える個体もある。
また打ち上げられた古い殻は赤紫色になることもある。
潮間帯下部から水深30mまでの岩礁の、
主としてカジメやアラメなどの
大型褐藻の生育域に棲息する。
岩の表面や大型褐藻類の表面に付着し、
海藻や岩上の無節石灰藻などを餌にしている。
摂餌は主に夜間に行われ、
日中は日の当たらない岩の裏側や
石の下縁近くにいる個体が多いが、
日中でも摂餌行動をする個体もあり、
明瞭な日周活動は観察されていない。
生活史は十分に明らかにされていないが、
千葉県における研究では、
次のようなことが報告されている。
雌雄異体で海水中に放卵放精して受精し、
浮遊幼生を経て底生生活に入る。
千葉県での産卵期は初夏から秋にかけて
長期間にわたると推定され、
生殖線の発達のピークが
6~7月と9~10月に2度見られることなどから、
産卵の最盛期が年2回ある可能性もある。
秋に産卵期が終わり、
11月になって海水温が低下すると、
生殖線は急激に縮小し、
翌年の1月頃から徐々に回復する。
稚貝は1年目で殻高約10mm、
2年目で殻高20mm前後まで成長する。
また、殻高が8~13mmに成長する段階で
生殖線も発達し、
殻高17mm以上になると生殖線で
完全に雌雄の識別できるようになる。
この性的成熟に伴うように、
若齢期に過ごした比較的小さな転石環境から、
直径1m以上の岩の表面や岩礁域にまで
棲息範囲を広げる。
しかし
2年目に殻高20mm前後に達したあとの
成長や寿命などに関してはよくわかっていない。
日本の北海道南部から
九州南部の大隅半島および甑島列島までの
太平洋沿岸に分布する。
ただし北海道南部や津軽海峡付近では非常に少なく、
ある程度まとまった個体群が見られるのは
宮城県~福島県以南の地域である。
瀬戸内海の大部分には生息しないが、
太平洋から豊後水道を経て流入する
海水の影響が強い場所では見られることがある。
亜種とされるオオコシダカガンガラは、
本州~九州の日本海沿岸部、
済州島、朝鮮半島南部に分布する。
標準和名は形が馬の蹄に似ていることによる。
類似種とともに、
シッタカ(尻高)、しったか貝、
サンカクミナ(三角蜷)、カジメダマ、
カジメッタマなどと呼ばれることがある。
尻高とは殻の"尻"(殻頂)が高いことを指す。