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2024/04/03

自転車屋の生き物歳時記 ムラサキイガイ

4月3日
水曜日

自転車屋の生き物歳時記

ムラサキイガイ

ムラサキイガイ
(紫貽貝、学名:Mytilus galloprovincialis)は、
イガイ目イガイ科に属する二枚貝の1種である。

別名をチレニアイガイという。

ヨーロッパでは
同属のヨーロッパイガイ (M. edulis) などと
共に食用とされ、
洋食食材にする場合は近似種とともに
ムール貝 (仏 moule)と呼ばれる。

日本でも20世紀後半から食材とされるようになり、
地方によっては在来種のイガイ (M. coruscus) などとの
混称で「シュウリ貝」「ニタリ貝」とも呼ばれる。

「カラス貝」「ムラサキ貝」と呼ばれることもあるが、
カラスガイ(イシガイ科)や
ムラサキガイ(シオサザナミガイ科)とは
全くの別種である。

食用として利用される一方で
代表的な汚損生物ともなっており、
IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」にも
チレニアイガイの名で選定されている。

原産地は
地中海沿岸を中心とした地域だが、
船舶の底に付着、あるいは幼生が
バラスト水に混入するなどして世界中に分布を広げた。

日本では1932年に神戸港で初めて発見され、
1950年代頃までには全国に分布を広げた。

ヨーロッパ以外では外来種。

繁殖力が強く、足糸も強靭で容易に剥がすこともできず、もはや人力の駆除が不可能なほど各地に定着し、
生態系に組み込まれているのが現状である。

ミドリイガイより低温域に分布し、
29℃以上の高水温での死滅が報告されている。

内湾や港など、
波の穏やかな潮間帯から浅い海までの
人工物や岩礁に多く、外洋に面した岩礁には少ない。

繁殖期は冬季で
カキ類よりも幼生の放出及び浮遊期間は長い。

大小さまざまな個体が集団で生活するので、
ムラサキイガイが集団で付着した海中の岩礁や防波堤、
ブイ、船底などは真っ黒にふくらんで見えるほどである。

食性は他の多くの二枚貝類と同様に濾過摂食で、
海中のデトリタスやプランクトンを食べる。

餌は後端の入水管から水と一緒に取り込むが、
水管は外套膜が広がっただけのような簡素なもので、
アサリのように長くはなく、
ほとんど殻の外に出ない未発達なものである。

糞や食用にされなかったゴミは
粘液でまとめられて体外に出されて沈殿するため、
他の濾過摂食型貝類と同様に
懸濁物の多い水を透明にする働きがある。

おもな天敵はクロダイ、ベラ類、フグ類などの肉食魚、
またはイボニシなどの肉食巻貝類である。

元々日本には生息しない貝でもあり、
和食ではあまり利用されていないが、
瀬戸内海などで漁獲されるイガイと同様に
「瀬戸貝」として炊き込みご飯などにすることがある。

旬は、貝が肥える春から夏にかけてである。

クロダイ、イシダイなどの釣り餌としても利用される。

洋食では、
フランス料理やベルギー料理である
白ワイン蒸しやビール蒸し
(主にフライドポテトを付け合わせにして
「ムール・フリット」として供される)、
スペイン料理のパエリア、
イタリア料理の
スパゲッティ・アイ・フルッティ・ディ・マーレ
(海の幸のスパゲッティ)、
ギリシャ料理やトルコ料理のメゼなど、
ヨーロッパ各地の様々な料理に用いられる。

生貝として、
および缶詰などの加工食品としても多く流通している。

近縁のムラサキインコも
ムラサキイガイ同様に食用となり、
非常に美味なダシが出る貝として知られている。

ムラサキイガイは
記憶喪失性貝毒や麻痺性貝毒、下痢性貝毒など
多種の貝毒を蓄積する事が報告されている。

二枚貝のうちでも
貝毒の減毒が遅いことから長期間に渡り
毒性を保ちやすく、
麻痺や下痢などの食中毒を起こすことが多い。

日本国内の場合、
商品として出荷されるものは
検査体制が確立しているため、
売られているものを食べる場合は危険性が少ないが、
天然のものを捕獲して食用とする場合は
注意が必要である。

日本では
2013年4月に大阪湾の岸壁に定着している
本種の喫食による食中毒事件が発生した。

自転車屋の生き物歳時記  ムラサキイガイ

2024/04/03

神武天皇祭

4月3日
水曜日

神武天皇祭

神武天皇が崩御したとされる日。

1874年(明治7年)から
1948年(昭和23年)までは
大祭日となっていた。

他に

清水寺・みずの日
日本橋開通記念日
いんげんの日
シーサーの日
葉酸の日
資産運用の日
シミ対策の日

などがあります。

神武天皇祭

2024/04/02

自転車屋根の生き物歳時記 アカガイ

4月2日
火曜日

自転車屋の生き物歳時記

アカガイ

今週も貝特集です。

アカガイ(赤貝、蚶、学名Anadara broughtonii、
英名Bloody clam)は、
フネガイ目フネガイ科に属する二枚貝の一種。

内湾の潮間帯や浅海の砂泥底に浅く潜って生息し、
殻には42本前後の放射肋がある。

他のフネガイ科の二枚貝と同様、
呼吸色素がヘモグロビンと同様に鉄ポルフィリンを
補欠分子団とするエリスロクルオリンのため、
血液が赤く、これが名前の由来となっている。

A型肝炎ウイルスを保有する個体が存在することから、
多くの国々は赤貝の輸入を禁止している。

大きくても殻長12cm、殻高9.6cm程度で
42から43本の放射肋をもつ。

前述の通り身が赤いことも特徴の一つである。

主な分布域は
ピョートル大帝湾から黄海にかけての区域で、
日本、朝鮮半島、中国、台湾、極東ロシアの
水深0から60mの砂泥底に棲息する。

食用として、主に寿司、刺身に使われる。

日本で市販されている
「赤貝の缶詰」の多くは
サルボウガイ( Anadara kagoshimensis (Tokunaga, 1906)) が使用されている。

近年は
中国や韓国からの輸入物が多く市場に流通している。

A型肝炎ウイルスを保有する個体が確認されており、
加熱不十分だと感染リスクを避けられないため、
専門職以外の採取の場合は生食を避けた方が良い。

歌舞伎の黒御簾音楽では、
貝殻をこすり合わせて、カエルの鳴き声が再現された。

『古事記』にて、
八十神に大火傷を負わされた大穴牟遅神を救うために
神産巣日命が遣わした
蚶貝比売(キサカイヒメ)はアカガイ、
蛤貝比売(ウムキヒメ)はハマグリだと考えられており、赤貝の殻の粉を蛤汁で溶いて
火傷に塗布したと考えられている。

食用として用いられるだけでなく、
殻のカルシウムが薬として用いられていたことが
推測されている。

自転車屋根の生き物歳時記  アカガイ